詐欺被害に遭われたとき、「お金を取り戻せるの?」「何を集めればいいの?」と不安に思われる方は多いです。
実は、調査や返金までの流れは支払い方法によって大きく異なります。
この記事では、クレジットカード・銀行振込・電子マネーなど主要な支払い方法ごとに、どのように返金交渉がおこなわれるのか?を分かりやすく解説します。
- 詐欺サイトでの支払い方法で異なる、解決までの流れ
- 返金の為に必要な証拠のチェックリスト
- 各支払いごとの、実際に返金に成功した事例
クレジットカードで支払った場合
交渉から事件解決するまでの流れ
クレジットカード会社へ「決済の停止」「利用明細の開示請求」を行います

まずは被害額をきちんと確認することが先決。ご自身では100万円払っていたつもりが、実は150万円だった…という可能性も0ではないからです。また、引き落としがまだの被害に関してはカード会社に被害を通知して、対処を確認する必要があります。
利用明細がカード会社から送られてきたら、明細に書かれている記号(数字や英語の組み合わせのコードの様なものです)を確認し、どこの決済代行会社を通して詐欺サイトへお金が渡ったかを把握します。
明細から判明した決済代行会社へ「決済の取消」「利用履歴の開示請求」を行います

明細からどこの決済代行会社を経由してお金が渡っているかがわかったら、決済代行会社へ被害について通知します。決済代行会社から利用履歴を送ってもらい、どこの会社が運営するなんというサイトにお金が渡ったかを確認します。
詐欺サイトを長期間利用していた場合、皆さんが知らない内に「サイト名」「運営会社」がころころ変わっている事が非常に多いです!すべての会社へ漏れなく返金を請求するためにはとても大事なプロセスです。
受取人である詐欺サイト運営会社へ返金交渉を行います

被害額、被害サイト、運営会社をきちんと確定したら、お金の受取人の会社へ通知書を送付し、返金交渉を開始。国内サイトの場合は直接、海外サイトの場合は決済代行会社を介してサイト運営会社と返金交渉を行います。
和解が締結されれば期限内に返金もしくは取消がされます

交渉の結果、返金もしくは取消がされることが決まったら、所定の手続きを経て依頼人の方へお金が返って来ます。
①カード決済分の現金が返金される場合と、②カード決済のお取消しと言う形で返金の場合と分かれます。
※場合によっては一部がお取消し、一部が現金返金となることもあります。
返金の為に必要な証拠リスト【クレジットカード決済編】
- 被害期間の利用明細(一部でも可)
- 被害を証明するスクリーンショットやメール
- 利用していたカード(破棄している場合はご相談ください)
実際に当事務所が対応した事例【クレジットカード決済編】

出会い系詐欺サイトにカード決済と銀行振込でポイントを支払っていました。カード分は既に引き落とし済みでしたが、法律事務所に依頼してから3週間くらいで取消しと言う形でお金が返って来ました。

父親のカードで見知らぬカード決済があり、詐欺に遭ったか不正利用かわからず相談しました。結果、父親が詐欺サイトに騙されていたことがわかり、交渉をしていただいた結果、取消と一部返金と言う形でお金が返って来ました。
ご相談の多い決済代行会社
銀行振込で支払った場合
交渉から事件解決するまでの流れ
送金先(収納代行会社)の振込情報を確認します

振込明細書や通帳、アプリの明細からお金の送金先を確認します。
収納代行会社の法人登記などを調査します

振込先の情報から法人登記やホームページの有無、口座が凍結されているかどうかなどを確認します。交渉を始めるにあたって、どこへ請求すれば良いのか把握するために、重要な調査になります。
※場合によっては、23条照会という有料の特別な調査をしなくてはなりません。
【参考】弁護士会 照会制度|東京弁護士会(pdf)
受取人の詐欺サイト運営会社へ返金交渉を行います

受取人である会社に返金交渉を行います。
国内会社であれば直接、海外会社であれば間に入る収納代行会社に対して交渉します。
和解が締結されれば返金がされます

交渉の結果、返金されることが決まったら和解書を取り交わします。締結後、当事務所の預かり口口座へ和解金が入金されたことが確認でき次第、依頼人の皆様へお金をお返しします。
返金の為に必要な証拠リスト【銀行振込編】
- 被害期間中の振込明細、もしくは通帳の振込履歴
- 被害を証明するスクリーンショットやメール
- (あれば)サイトから振込先を指定されたメッセージなど
実際に当事務所が対応した事例【銀行振込編】

全く知らないまま何個もの占い詐欺サイトに登録してしまっていて、何十万も支払っていたのを家族に指摘されて、法律事務所に相談しました。もうアクセスできなくなっていたサイトもいくつかあったのですが、IDや占い師の名前、手口を覚えていたのでそのことを振込明細と一緒に伝えたら対応してくれました。
結果、全額ではなかったですが、分割で少しずつ返してもらっています。
電子マネーで支払った場合
交渉から事件解決するまでの流れ
電子マネー発行会社に利用明細の開示請求を行います

電子マネーの発行会社に利用明細の開示請求を行います。電子マネーそのものや、写真に記載の管理番号を頼りに照会をしていただきます。
※場合によっては民事保全手続きによる差し押さえを行う事もあります。
電子マネー発行会社から届いた利用明細でお金の流れを確認します

数日(請求が多いと1週間以上かかる場合もあります)後、電子マネー発行会社より利用明細が届きます。利用明細には利用した日付と金額、利用先の情報が記載されていますのでお金の受け取り元をここで確認が出来ます。
詐欺サイトを長期間利用していた場合、皆さんが知らない内に「サイト名」「運営会社」がころころ変わっている事が非常に多いです!すべての会社へ漏れなく返金を請求するためにはとても大事なプロセスです。
受取人である会社に返金交渉を行います

受取人である会社に返金交渉を行います。
国内会社であれば直接、海外会社であれば間に入る収納代行会社に対して交渉します。
和解が締結されれば期限内に現金で返金がされます

交渉の結果、返金されることが決まったら、和解書を取り交わします。期日内に当事務所の預かり口口座へ振り込んでもらい、無事に入金が確認出来ましたら依頼人の皆様へお金をお返しします。
返金の為に必要な証拠リスト【電子マネー編】
- 電子マネーのチケットそのものや領収書
※破棄してしまった場合でも返金できる可能性があるため、相談員にお伝えください - 被害を証明するスクリーンショットやメール
実際に当事務所が対応した事例【電子マネー編】

「お金を8億円分配する」という詐欺師に騙されて、預金も解約しながらずっと電子マネーでサイトに支払っていました。仕事先や家族から「詐欺じゃないか?」と言われてサイトを調べたら、詐欺だと書かれていたので法律事務所に相談しました。電子マネーを全部とっておいてあったので、それを全部郵送したところ、半分以上お金が返ってくることになりました。
また、自分の入力ミスで未使用券があったこともわかり、その使用方法も教えてもらえました。

「税金対策に2000万円うけとってほしい」という人の言葉を信じてしまい、家族の為に貯めていたお金までも使って受取ろうとしていました。まさかこんな事になると思わなくて、電子マネーをほとんど捨ててしまっていたのですが、法律事務所さんの方で調べてくださって、全額ではないにしろ思った以上にお金を返してもらえてよかったです…!