コンゴ鉱山への投資を謳い不正に出資金を集めたとして男らを逮捕

 

近年、自動車の電動化には欠かせないレアメタルである「コバルト」の埋蔵量50%以上がコンゴ及びザンビアに存在していることから、コバルトの産出国としてコンゴ民主共和国の鉱山が世界から注目を集めています。

 

そんな中、コンゴ民主共和国の鉱山開発事業への投資名目で出資を募ったとして、「スタートアップを支援するエンジェル投資家」としてSNSアカウントで1万人以上のフォロワーを抱える人物が出資法違反の疑いで逮捕される事件が発生しました。

 

そこでこの記事では、コンゴ鉱山投資事件の概要や、投資詐欺のポイントについて解説します。

 

コンゴ鉱山投資詐欺の事件概要

コンゴ鉱山投資詐欺の事件概要

 

コンゴ民主共和国での鉱山開発事業をめぐり、元本保証や高額配当を謳い、個人投資家などから約4億5000万円を不正に集めたとして、東京都新宿区のコンサルティング会社「SQUARE DESIGN」代表取締役の船越洋平容疑者(34)、兵庫県神戸市の金属販売会社「アドヴァンス工業」社長の樽本貴司容疑者(47)と副社長の萩原啓三容疑者(52)、会社役員の山本祐也容疑者(36)の4人が出資法違反の疑いで逮捕されました。

 

船越洋平容疑者は、投資系インフルエンサーとしてSNSでフォロワー1万人を超えており、スタートアップを支援する「エンジェル投資家」を自称していました。

 

警視庁によりますと、2021年4~6月にかけて、コンゴ民主共和国にて採掘事業を行っているアドヴァンス工業の子会社が、海外企業に高値で買収される可能性があるなどと謳い、銅やコバルトの鉱山採掘事業への出資を持ち掛け、約4億5000万円を集めたということです。

 

船越容疑者らは「3か月後には必ず株価が倍になる」などといい、船越容疑者が以前に勤めていた大手コンサルティング会社の顧客や、SNSや異業種交流会、投資セミナーなどで知り合った弁護士や不動産鑑定士など、個人投資家に対して出資を募っていたといいます。

 

出資を募る際、「アドヴァンス工業の子会社が海外法人に買収されたら必ず株価が倍になる」などと話し、買い戻し特約として買収成立後はアドヴァンス工業の株を約2倍で買い取り、買収が不成立だったとしても購入額と同額で買い取るなどとして、一口500万円で勧誘していたとみられています。

ですが実際には、買収予定の2021年8月になっても買収は行われず、株の買い取りにも応じなかったことから、2022年10月に出資者らから警察に相談があり、捜査を進めていました。

 

警視庁は、船越容疑者らは2020年3月からおよそ1年半で、100人近くから約27億円を違法に集めていたとされています。

また、実際にはコンゴでの開発事業に回されたのは1億円程度だったとみていますが、鉱山開発事業の実態は不明だということです。

 

 

コンゴ鉱山投資詐欺のポイントを解説

コンゴ鉱山投資詐欺のポイントを解説

 

今回の投資詐欺は、海外の鉱山開発事業への投資を謳ったものでした。

 

そこで、以下のポイントに分けて詳しく解説していきます。

 

  • SNSや投資セミナー、異業種交流会で勧誘を行う
  • 出資法違反
  • 必ず株価が2倍になると謳う

 

 

SNSやセミナーなどで勧誘を行う

 

近年、SNSで知り合った人物や、投資セミナー・異業種交流会などで知り合った人物から投資へ勧誘され、お金を騙し取られるという投資詐欺の被害が相次いでいます。

 

今回逮捕された船越容疑者は、大手コンサルティング会社に勤めていた経歴や、フォロワー1万人を超えるSNSアカウントを持っていました。

また、以前に勤めていた大手コンサルティング会社の顧客に対しても同様に勧誘を行っていたということから、警戒されることなく高額な出資金を集めることができたと考えられます。

 

今回の投資詐欺だけでなく、すべての投資詐欺に共通して言えることは、SNSで知り合った人物や投資セミナーなどで知り合った人物から投資へ勧誘された場合は詐欺だと考えられるため、くれぐれもご注意ください。

 

 

出資法違反

 

今回逮捕された船越洋平容疑者らは、出資法違反で逮捕されました。

 

出資法とは、出資金や預り金、高金利などを規制する法律です。

出資法では、不特定多数の者に対する「元本を保証した出資の受け入れの禁止」や、「特定金融機関以外が業としての預り金を禁止」などが定められています。

 

今回の事例では、コンゴ鉱山開発事業への投資を勧誘する際、「元本保証を謳った勧誘」や、買い戻し特約を謳って「特定金融機関以外の業としての預り金」を行ったとして、出資法違反の疑いが持たれています。

 

つまり、「元本保証」を謳った投資へ勧誘された時点で出資法に違反していることから詐欺だと言えるでしょう。

そのため、「元本保証」や「絶対に損しない」といった言葉で投資へ勧誘された場合は詐欺だと考えられるため、騙されないようくれぐれもご注意ください。

 

 

「必ず株価が倍になる」と謳う

 

今回、船越洋平容疑者らは投資へ勧誘する際、「必ず株価が倍になる」などと謳い、一口500万円と高額な出資を募っていました。

 

鉱山投資詐欺に限らずての投資は、利益を得られる可能性がある一方で、元本割れなどの損失を抱えるリスクもはらんでいます。

 

また、今回の事例では、「アドヴァンス工業が海外企業に買収されれば株を約2倍の値段で買い取る」、「買収が不成立の場合は同額で買い取る」など、買い戻し特約を謳っており、出資者らにはデメリットが一切ないような説明をしていたといいます。

そのため、投資をすることで「株価が倍になる」「損はしない」などメリットばかりを誇張して説明し、リスクに対する説明が一切ない場合は詐欺であると考えられますので、うまい儲け話にはくれぐれもご注意ください。

 

 

投資詐欺には要注意

投資詐欺には要注意

 

近年の投資詐欺は、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNS上に掲載されている投資に関する広告から詐欺被害に巻き込まれたり、SNSで知り合った人物から投資に勧誘され、お金を騙し取られたりなどの被害が非常に増えています。

 

今回ご紹介した投資詐欺で逮捕された船越洋平容疑者は、SNS上でも知名度や人気がある人物であったことから、騙されてしまった方も多かったのではないかと考えられます。

そのため、SNS上で知名度や人気があったとして、投資へ勧誘された時点で詐欺だと疑うようにしてください。

また、SNSやセミナー、異業種交流会などで知り合った人物から投資に勧誘された場合も同様です。

 

当サイトとしての願いは、、投資詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることです。

この記事を通して、少しでも多くの方が詐欺被害を未然に防ぐ一助になれば幸いです。

 

投資詐欺の詳しい手口はこちらの記事でご紹介していますので、合わせてご参照ください。

投資詐欺の手口

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